コラム

脂肪幹細胞がすぐ分かる再生医療コラム

再生医療で注目されているのが、幹細胞。その中の一種として知られる「iPS細胞」は、山中教授のノーベル賞受賞で一躍脚光を浴びました。このコラムでは、代表的な幹細胞を4種類ご紹介します。

再生医療で注目される幹細胞とは

再生医療で注目される幹細胞とは

京都大学の山中伸弥教授がノーベル医学生理学賞を受賞したことで一気に注目を浴びたiPS細胞(人工多能性幹細胞)。これは、ヒトの皮膚や羊膜などに遺伝子を入れて人工的に作る幹細胞(ステムセル)です。
そもそも幹細胞とは、特定の細胞に分化、つまり変身することができる細胞で、体内の組織や臓器にも成長する素となる細胞を指します。この働きを応用することで、心臓疾患や血管の再生、乳房再建など、様々な疾患の治療が可能とされており、実際に臨床研究から、その有効性も確認されています。このような、細胞本来の性質を生かした治療は再生医療と呼ばれ、世界各国の大学や専門機関で研究が続けられている分野なのです。

1つではない幹細胞の種類

研究が進められている幹細胞は様々で、それぞれ幹細胞源(セルソース)が異なります。なかでも代表的なものが次の4つになります。

人工多能性幹細胞(iPS細胞)

冒頭でも触れた、ヒトの皮膚などの体細胞に4つの遺伝子を導入することでつくる幹細胞です。拒絶反応を回避している点とヒト胚を使わないという点などから注目をあびています。ただし、導入する遺伝子のひとつが発がん関連遺伝子であるため、がんの発生確立が高まるのではないかという懸念もあります。また、精子と卵子をつくることができるため、クローンについての問題点も残されています。

胚性幹細胞(ES細胞)

ヒト胚(受精卵)から採取する幹細胞がこちら。ヒト胚に含まれる幹細胞は少量で採取量には限度があるため、7〜8週間の培養期間が必要です。遺伝子が完全に一致する細胞をつくることは不可能なので拒絶反応を起こす可能性があることや、生命の芽生えたヒト胚を壊して採取するという倫理的観点などが問題視されています。

造血幹細胞(HSC細胞)

血球系細胞に分化可能な幹細胞。ヒト成体では主に骨髄から採取されるもので、白血球や赤血球、血小板、肥満細胞などを生み出すことから、血球芽細胞または骨髄幹細胞などとも呼ばれています。白血病の治療としても有名な骨髄移植は、この造血幹細胞の働きを利用した代表例です。

脂肪由来幹細胞(ADRC/ADSC細胞)

自身の脂肪細胞から抽出できることもあり、脂肪注入豊胸など美容医療の分野に最も関係が深く、THECLINICでも長年研究を続けている幹細胞です。脂肪組織には幹細胞が大量に含まれており、造血幹細胞の約100〜1000倍以上を比較的容易に確保できるため、培養する必要がありません。そのため、前出のES細胞やiPS細胞のような倫理的問題点やがん化への懸念がなく、世界的にも注目を集めています。

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何かを補うための詰め物や充填剤。美容外科では注入素材を指して呼ぶことが多い。

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ヒアルロン酸を加水分解する酵素。