コラム

緊急企画 ネットで見つけたコンデンスリッチ豊胸の誤解

脂肪専門クリニックを自負する当院。そんな私たちにとって、コンデンスリッチ豊胸は、いわば屋台骨とも言える大切な施術です。ところが昨今、ネット上にはこのコンデンスリッチ豊胸に関する誤った情報が散見されます。その間違いを指摘し、正しいコンデンスリッチ豊胸とはどういったものかを改めてご紹介します。

絶対に見過ごせない、コンデンスリッチ豊胸の誤情報

絶対に見過ごせない、コンデンスリッチ豊胸の誤情報

WELQ(ウェルク)*の一大不祥事が明らかになった今、ネット上の医療情報には、かつてない厳しい目が向けられています。情報の送り手が、責任をもって正しい情報だけを発信する。この当たり前の常識を根底から揺るがす由々しき事態が、あろうことか、人の生死にも関わる医療の分野で起きたことに衝撃が走りました。
ただ、これは対岸の火事にあらず。根拠不明な疑わしい情報は、残念ながら美容医療の分野でも散見されます。驚くべきことに医師が執筆したブログにもひどい間違いが見受けられる始末。
そこで今回は、こうした誤情報の中でも、当クリニックとして特に看過できないコンデンスリッチ豊胸に関する2つの重大な誤り「コンデンスリッチ豊胸は定着率が低い」と、「コンデンスリッチ豊胸は従来の脂肪注入豊胸と同じ」の間違いを告発します。反論の根拠は、CRF協会(コンデンスリッチファットの適正使用の普及・啓発を担う専門機関)が公にした研究成果。憶測の域を出ない的外れな指摘を、科学的な根拠で一蹴します。
* WELQ:DeNAが運営する医療・健康情報を扱うキュレーションサイト。強力なSEOで一時検索結果の上位を独占したが、内容の信頼性を疑問視する声が高まり2016年11月29日閉鎖に追い込まれた。

誤解1:コンデンスリッチ豊胸は定着率が低い

「コンデンスリッチ豊胸は定着率が低い」という誤った主張の根拠は、脂肪を加工する際の遠心分離で生じる重力が、健全な脂肪細胞の生存能(バイアビリティ)まで低下させているというもの。バイアビリティが低下した細胞は注入後に生き残ることができず、その結果、定着率が落ちてしまうのでは? というのです。まず、この不確かな根拠を覆す動かぬ証拠をお示しします。
下の顕微鏡画像をご覧ください。コンデンスリッチファット(コンデンスリッチ豊胸の注入脂肪。以下CRF)の精製過程で行う特殊な遠心分離法(加重遠心法)によって、弱った脂肪細胞が分離され、生存能の高い脂肪細胞だけが抽出されていることがよくお分かりいただけると思います。さらに、定着率アップに寄与する幹細胞など、間葉系細胞群の増量が認められました。このことからCRFが極めて定着率の高い細胞群であることは明らかです。
そもそも脂肪吸引では、吸引時と吸引後に、ある程度脂肪の生存能が低下することは避けられません。吸引時は、細い管に陰圧をかけて吸引される際にダメージを受けるため。吸引後は、容器に移されることで血液からの栄養分の供給が絶たれた状態が続くためです。従来の脂肪注入法では、この弱った細胞を含んだ脂肪が注入されていましたが、CRFではこれらをきちんと除去します。CRFの精製過程で行う遠心分離によって注入脂肪の生存能が落ち、定着率が下がるなど全くのデマ。むしろ注入脂肪を定着に最適化させるプロセスなのです。

誤解1:コンデンスリッチ豊胸は定着率が低い

誤解2:コンデンスリッチ豊胸は従来の脂肪注入豊胸と同じ

脂肪注入豊胸で大切なことは、あまり多くの脂肪を注入し過ぎないこと。むやみに大量の脂肪を注入すると、組織内圧が過度に上昇し、その結果定着率は落ちてしまいます。大切なのは、注入ボリュームよりも、定着に役立つ健全な脂肪細胞や幹細胞等の「密度」を上げること。つまり、定着に寄与する細胞の単位体積当たりの数を増やすことです。
コンデンスリッチ法が従来の遠心分離法と一線を画すのは、まさにこの点。加工によって、注入脂肪のボリュームこそ少なくなりますが、その反面、細胞の密度が濃縮(コンデンス)されているのです。
実際、注入脂肪のボリュームは従来の遠心分離法の70%程度に減っていましたが、単位体積当たりの細胞数は約1.4倍に増加していました。「コンデンスリッチ法は他の脂肪注入豊胸と変わらない」などと堂々とブログで吹聴する医師もいるようですが、事実とは明らかに異なります。

誤解2:コンデンスリッチ豊胸は従来の脂肪注入豊胸と同じ

今こそ問われる、情報発信への誠実さ

コンデンスリッチ豊胸をブログなどで批判するクリニックは、実は往々にして正規のコンデンスリッチ豊胸を行っていません(または行うだけの知識と技術力が、スタッフにありません)。そのようなクリニックが展開する持論は、言うなれば机上の空論に過ぎないのです。しかし、コンデンスリッチ豊胸を検討する方たちは、そのような内情を知る由もありません。キレイに整えられたホームページで“専門家”と称する人物がもっともらしく語る内容が検索上位に表示されていれば、普通は疑いませんよね。ただ、ここにお示しした明白な事実を知ってしまえば、彼らの主張には全く信憑性がないことは、すぐに見抜けるはずです。
美容外科を訪れるゲストが事前情報を手に入れる手立ては、現実的にはインターネットしかありません。そこを逆手にとって、自分たちに都合の良い情報だけを身勝手に垂れ流すクリニックなど、言語道断。それでなくてもネット情報の信頼性が揺らぐこのご時世です。情報の質は今後より一層厳しく問われることになりますが、私たちは引き続き、根拠に基づく正しい情報提供に努めます。

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フィラーとは
About filler

何かを補うための詰め物や充填剤。美容外科では注入素材を指して呼ぶことが多い。

ヒアルロニダーゼとは
About hyaluronidase

ヒアルロン酸を加水分解する酵素。