コラム

10の症状に見る、豊胸シリコンバッグを除去すべき理由

決して大げさではなく、ザ・クリニックには毎日のように、豊胸バッグ(豊胸インプラント)を除去したいというご相談が寄せられます。シリコンバッグプロテーゼや生理食塩水バッグなどありますが、その除去や入れ替え手術は、どれも決して気軽なものではないでしょう。では、なぜ彼女たちは除去を決断したのか。
今回は、その行動を起こさせた10種の失敗やトラブルを、画像とともに公開! なかには凄惨な症例も……。豊胸シリコンバッグの入れ替え施術の比較もあるのでお見逃しなく!

豊胸シリコンバッグの寿命とリスク

豊胸外来:豊胸シリコンバッグの寿命

すでにご存知の方も多いかと思いますが、まずは豊胸シリコンバッグ(生理食塩水バッグ含む)の寿命について少し触れておきます。「豊胸インプラントの“その後”~リスクと安全は、エコーで追跡~」でもお話したように、アメリカの政府機関FDA(米国食品医薬品局)では、その寿命を約10年と設定。さらに、11年以内にはどちらか片方のシリコンバッグは破損すると発表しています。
つまり、豊胸シリコンバッグはそれくらいの年数で除去や入れ替えが必須ということ。しかし、次に紹介するような状態にまでならないと除去に踏み切れない方は多いようです。

【画像解説】豊胸シリコンバッグを除去した理由TOP10

豊胸シリコンバッグの除去手術を希望されるゲストの多くも、10年以上前に豊胸手術を受けた方。なかには40年ほど経過していて、「胸の異常にはもっと早く気づいていたけれど、怖くて誰にも言えなかった……」という方も。なかでも、豊胸シリコンバッグの除去を決断した理由として話すゲストが多い失敗やトラブルが、次にあげる10例です。

豊胸バッグ除去理由1:胸が硬く変形したから(カプセル拘縮)

豊胸外来:豊胸シリコンバッグのカプセル拘縮の症例

「胸が硬くなった」「胸の形がいびつで不自然」と除去の理由を語るゲストがたくさんいます。典型的なカプセル拘縮(被膜拘縮)の症状ですが、なかには診察する前にカプセル拘縮であることを豊胸シリコンバッグの除去理由にあげる方もいらっしゃるほど。
カプセル拘縮は、10人に一人は発症すると言われている豊胸シリコンバッグの代表的なトラブルです。胸に挿入された豊胸シリコンバッグは、例外なく線維組織の膜、被膜(=カプセル)で覆われます。これは、異物を体内に閉じ込めようとする体の正常な反応。ただ、放置すると被膜がどんどん厚くなり、豊胸シリコンバッグは強く締め付けられてしまいます。すると胸は不自然に盛り上がった見た目になり、触り心地も非常に硬くなってしまうのです。
カプセル拘縮(被膜拘縮)が進行すると、痛みをともなったり、豊胸シリコンバッグが締め付けに耐えられず破損したりすることも少なくありません。

豊胸バッグ除去理由2:胸が石のように硬い(石灰化)

豊胸外来:豊胸シリコンバッグと同時に除去した石灰化

カプセル拘縮(被膜拘縮)だけの発症でも胸が硬さが除去理由になることはありますが、石灰化を起こしているゲストも多数。石灰化とは豊胸シリコンバッグを包み込む被膜(カプセル)に、カルシウムの結晶が沈着することを言います。この現象が強く出ると、胸が石のように硬くなってしまい、明らかに不自然な触り心地になるのです。
石灰化は豊胸シリコンバッグ破損の原因にもなってしまうため、放置は危険。また、強い石灰化が出ているとエコー検査してもそれより内部を映し出すことができず状態を確認できません。さらに、豊胸シリコンバッグを脇から除去することが困難になり、胸を切開する可能性も出てきてしまいます。

豊胸バッグ除去理由3:乳がん検診が受けられない

豊胸外来:豊胸シリコンバッグとマンモグラフィー検査の関係

物理的な失敗やトラブルではありませんが、豊胸シリコンバッグの除去理由としては上位にランキングするこのお悩み。正確には、豊胸シリコンバッグを挿入していても乳がん検診は受けられます。エコー検査なら問題ありませんし、マンモグラフィー検査も絶対にできないわけではありません。
ただ「豊胸していることがバレてしまう……」という不安から、足が遠のいてしまう人が多いようです。また、健康診断などに含まれる乳がん検診だと、豊胸シリコンバッグが破損するかもしれないことを理由に断られるケースも少なくありません。そんな状況の中、乳がんの不安に耐えられないと、豊胸シリコンバッグの寿命に達する前に除去される方がいるのです。

豊胸バッグ除去理由4:胸が冷たい

豊胸外来:豊胸シリコンバッグで胸が冷たくなる理由

意外に感じるかもしれませんが、豊胸シリコンバッグの不自然さのご相談の中では上位にランキングするお悩みが、胸の冷たさ。実際に寄せられた声ではありませんが、彼氏に指摘されたという方もいるよう。つまり体への被害というよりは、豊胸していることがバレるのではないかと不安になり、豊胸シリコンバッグの除去を希望されるようです。
原因は、豊胸シリコンバッグが血流のない人工物という点。冷たい外気によってバッグが冷えてしまい、胸全体も冷たく感じるのです。豊胸シリコンバッグのサイズが大きいほど、実感も大きくなります。
また、イメージ的に豊胸シリコンバッグが皮膚表面に近い乳腺下法の方が冷たく感じそうですが、そういうわけでもありません。大胸筋下でも外胸下側は大胸筋にバッグが大胸筋に覆われていないため、冷たいと感じるのです。

豊胸バッグ除去理由5:胸が痛い

豊胸外来:豊胸シリコンバッグで胸が痛くなる原因

豊胸シリコンバッグの除去理由で処置に緊急を要するのが、胸が痛いという訴えです。もっとも多い原因は、カプセル拘縮(被膜拘縮)と言えるでしょう。進行すると豊胸シリコンバッグの締め付けやバストの変形から、胸に痛みが生じるのです。他にも、豊胸シリコンバッグの破損による炎症や、豊胸バッグの縁が当たることで胸に痛みを感じることも。
この胸が痛いという症状も放置して良くなることはないので、原因となっている豊胸シリコンバッグを除去する他、治療法はありません。そのため、除去理由にあげる方も多いのです。

豊胸バッグ除去理由6:胸の左右差

豊胸外来:豊胸シリコンバッグで生じた胸の左右差

胸の左右差は見た目に分かってしまうので、豊胸シリコンバッグの除去理由としてはよく耳にします。他のトラブルの影響で生じることが多く、そのひとつが、豊胸バッグの破損。生理食塩水バッグが漏れ出して片方の胸だけ小さくなることもそうですが、破損後の炎症がひどいと、左右差が明らかにわかるほど腫れることも。さらに、両胸に同じように生じるわけではないカプセル拘縮(被膜拘縮)カでも、いびつな胸の左右差を確認しています。
豊胸手術の前からあった胸の左右差がシリコンバッグを挿入したことで、より目立つようになってしまうケースも。また、加齢や出産・授乳と言った体の変化に対応できず、胸に左右差が生じることもあります。

豊胸バッグ除去理由7:胸の表面が不自然(リップリング)

豊胸外来:豊胸シリコンバッグのリップリング症例

リップリングの症状は、胸の表面が波打ったり、一部が突起したり、ぺこぺこした不自然な触感になったりするというもの。とても多いトラブルというわけではありませんが、見た目や触り心地に影響するため、豊胸バッグ除去の理由としては十分なようです。
原因は、豊胸シリコンバッグの縁がよれて折れ曲がってしまったから。手術後すぐにリップリングが生じている場合、医師の技術不足で豊胸シリコンバッグ挿入時によれてしまったことが考えられます。手術後しばらくしてから起こったリップリングは、胸の中で動いてよれた可能性も。表面がつるつるしたスムースタイプの豊胸シリコンバッグに多いトラブルです。また、カプセル拘縮(被膜拘縮)の締め付けでそうなることもあります。
リップリングを放置すると、突起になった豊胸シリコンバッグの縁が皮膚を突き破る可能性もゼロではありません。

豊胸バッグ除去理由8:バッグが破れた(バッグの破損)

豊胸外来:破損した豊胸シリコンバッグ

豊胸シリコンバッグの破損は、症例数としてはカプセル拘縮(被膜拘縮)1、2を争うほど多いトラブル。しかし、気づく人が少ないため、たいていの除去理由は胸が硬い、変形しているなど他の要因です。
豊胸インプラントの中でも、破損すると中身が漏れ出して胸が急にしぼむ生理食塩水バッグなら、気づく人も多いでしょう。ただ、近年主流のコヒーシブシリコンタイプの豊胸インプラントは破損しても中身の粘性が強いため、生食バッグのようには流れ出ません。エコー検査して始めて豊胸シリコンバッグの破損が発覚、というケースも多いのです。しかし、これがデメリットにも……。破損を長く放置してしまったことで炎症を起こしたり、体液と混ざってシリコノーマ(シリコンが塊になったしこり)が形成されたりすることも。すると、痛みや発赤、触り心地にも硬い異物を感じたりします。

豊胸バッグ除去理由9:胸に段差ができた(ダブルバブル)

豊胸外来:豊胸シリコンバッグで生じた胸の段差

豊胸シリコンバッグが本来のアンダーバストから逸脱し、胸が鏡餅のように二段になってしまうことがあります。この症状が豊胸手術後すぐに確認できる場合は、豊胸シリコンバッグのサイズが大き過ぎた、豊胸手術時の剥離の仕方が適切ではなかったなどの原因が考えられます。
また、カプセル拘縮(被膜拘縮)による豊胸シリコンバッグの変形で生じることも。軽度の症状なら除去後に改善することも可能です。しかし、アンダーバストに左右差が生じてしまうと、きれいに修正できないことがあります。胸に段差ができてしまったらすぐ相談するのが賢明です。

豊胸バッグ除去理由10:血腫(しこり)

豊胸外来:豊胸シリコンバッグと一緒に除去された血腫

豊胸シリコンバッグでも稀に、「しこりができた」というお悩みを聞くことがあります。触感としてはしこりですが、正確には血腫の場合がほとんど。手術時の出血が多かったケースや、長年にわたって豊胸シリコンバッグの周囲に溜まった血液が固まったケースなどがあります。画像は後者のもの。
他にも、石灰化がひどくエコーで診察できないためMRI検査を行ったところ、しこりのようなものを認め、豊胸シリコンバッグの除去と同時に摘出したら血腫だったという症例も実際にありました。

除去? 入れ替え? 豊胸シリコンバッグの対処法比較

豊胸シリコンバッグにこういったトラブルが生じた場合、ほとんどのケースで取り出す他に改善する方法はありません。しかし、ただ除去するだけなのか、それとも何かに入れ替えるのか、対処法は様々です。

対処法A:豊胸シリコンバッグの除去のみ

まずは、豊胸シリコンバッグの除去を決めた人が必ず通るこの施術。他の対処法と違い除去後の工程がないため、値段やリスク、ダウンタイムの面で優位性があります。
しかし、豊胸シリコンバッグを除去するだけだと、胸のボリューム変化を避けることができません。さらに、皮膚が伸びていること、空洞となった被膜(カプセル)が収縮してアンダーバストの位置が上がることなどで、胸の垂れが強調されます。豊胸シリコンバッグの挿入期間が長いほど周辺組織への影響も大きく、除去後に胸が陥没するケースも見られます。

豊胸外来:豊胸シリコンバッグ除去だけで対処した場合のメリット・デメリット

対処法B:豊胸シリコンバッグの入れ替え

胸の大きさを維持したままトラブルを改善するには、豊胸シリコンバッグを入れ替えるという方法があります。ただし、適応外となるケースも。カプセル拘縮(被膜拘縮)が強く出ている場合、豊胸シリコンバッグを入れ替えても大幅には改善されません。それどころか再手術の出血で、かえって悪化することも考えられます。
入れ替えたとしても、以前と同じ人工物。数年後に同じトラブルに見舞われる可能性は大きいと言えるでしょう。

豊胸外来:豊胸シリコンバッグを入れ替える場合のメリット・デメリット

対処法C:豊胸シリコンバッグ除去+ヒアルロン酸注入

豊胸シリコンバッグを別のものに入れ替える方法の中で、もっともダウンタイムが少ないヒアルロン酸注入。手術時間も30〜40分ほどで済みます。
ヒアルロン酸が早々に吸収されないよう、空洞になった被膜(カプセル)内に注入して、持続性を高める手法がよく用いられます。しかし、この手法を他院で受けたというゲストの症例画像(下左)をご覧ください。豊胸シリコンバッグの除去ルートにヒアルロン酸が流れ出てしまい、胸が不自然に。
他にも、他院でヒアルロン酸豊胸を受けたというゲストを診察すると、塊で残っていたり、瘢痕化したしこりが見つかったりと、プチとは言い難いトラブルも少なくありません。

豊胸外来:

対処法D:豊胸シリコンバッグ除去+脂肪注入

脂肪の加工や注入技術が進歩したこともあり、近年とてもメジャーな選択肢となった脂肪注入。何と言っても、もともとのバストと同じ組織である脂肪を活用するため、触り心地が自然になることが最大のメリットでしょう。さらに、定着してしまえばメンテナンスや入れ替えの必要もありません。
とは言え、デメリットも……。不純物の混じった脂肪の注入や、被膜(カプセル)内への注入、大量注入や塊での注入などにより、しこりや石灰化のリスクが高まります。ただ裏を返せば、良質な脂肪と正しい注入技術さえあれば、リスクを回避できる施術だと言えるのです。

豊胸外来:豊胸シリコンバッグ除去後にヒアルロン酸注入をする場合のメリット・デメリット

豊胸シリコンバッグ除去ゲストが脂肪注入を選択する理由

どの施術にもリスクがあります。そのうえで、来院されるゲストのほとんどは、「豊胸シリコンバッグ除去+脂肪注入」を選択。他の方法と異なり、脂肪注入のリスクだけは技術力で回避できるということもそうですが、次のようなザ・クリニックの特徴も理由のようです。

胸に傷跡が残らない

豊胸外来:豊胸バッグ除去の傷跡の位置

豊胸シリコンバッグを除去する際は、基本的に脇の下からアプローチします。つまり、高度の石灰化などのやむを得ないケース以外は、胸に切開の傷跡が残ることはありません。脇の下の傷跡も3cmほどで、シワに沿って切開するのでほとんど目立ちません。

定着に有利な脂肪

豊胸外来:コンデンスリッチ豊胸が定着に有利な理由

脂肪注入の効果を左右するのは、注入する脂肪に含まれる細胞数。そのため、ザ・クリニックは不純物を除去した脂肪に活用を限っています。なかでもコンデンスリッチ豊胸が人気。特許技術を用いた特殊な遠心分離で良質な脂肪細胞と幹細胞を濃縮するため、定着に有利に働きます。細胞数は実に従来の脂肪注入の1.4倍と言われています。

ボリューム変化が少ない

「シリコンバッグ抜去と同時のコンデンスリッチ豊胸の効果報告」でもご報告しているように、ザ・クリニックが手掛けるこの手術では、サイズ変化がほとんどないと言えます。また、豊胸シリコンバッグの除去と脂肪注入を同日に行うため、一次的にボリュームダウンすることもありません。
コンデンスリッチ豊胸ということもありますが、大きな理由は注入技術。豊胸シリコンバッグ除去後の場合、周辺組織が圧迫によって萎縮しているため、通常より注入スペースが少ないのです。それでも様々な層に分散して十分量を注入。注入脂肪を最大限定着させるための2.4mmヌードルインジェクションも可能です。

豊胸外来:豊胸バッグ除去と同時のコンデンスリッチ豊胸の症例

実際の症例動画

ザ・クリニックが行った豊胸シリコンバッグ除去と同時のコンデンスリッチ豊胸の効果をもっと見たい方は、こちらの動画もご覧ください。

豊胸シリコンバッグを除去するか決めるには、まずエコー検査

豊胸外来:豊胸シリコンバッグに欠かせない乳腺用エコー検査

豊胸シリコンバッグの失敗やトラブルのお悩みで来院されるゲストには、すでに除去を決めている方も、迷われている方もいます。もし今、豊胸バッグの除去を悩まれている方がいましたら、まずはバッグの状態を確認することが先決です。ザ・クリニックでは乳腺用エコーを全院に導入しており、もちろん検査だけのご相談にも対応します。まずはお気軽にカウンセリングにお越しください。

カテゴリー
フィラーとは
About filler

何かを補うための詰め物や充填剤。美容外科では注入素材を指して呼ぶことが多い。

ヒアルロニダーゼとは
About hyaluronidase

ヒアルロン酸を加水分解する酵素。